葛藤⑤ 握った拳

 本当なら、この握った拳で殴りたいほどだ。しかし、それはできない。傷害罪になる。僕の方が悪くなる。わたしの車の前に急に割り込んできた。あわや、事故になるところだった。謝りのハザードを点滅させることもない。

 時間は刻々とすぎていく。僕はどうすればいいんだ。まだ怒りが収まらない。クラクションを長ーく鳴らす。

 周囲が騒ぎ始めた。何事かと。

僕は決めた。一段高い位置に身を置こう。こんなこと、気にしない。気にしない。そして、交通量の多い時間帯に車を走らせることを控えようと。

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