8分でわかるビジネス書 「お金さん」と呼ぼう だって 大切なもの 「お米」って呼んでるでしょ
- 1 どんな本
- 2 ここが独特
- 3 この世には お金に悩んでいない人がいる
- 4 大丈夫 お金さんは貯まります
- 5 ロビンソン・クルーソーの貸借対照表
- 6 お金さんと時間は仲良し
- 7 大きなことにお金をつかう
- 8 最後に
1 どんな本 著者が見つけたお金に悩まなくなる補法と知恵 そして それは誰でも今すぐに始められ 今すぐお金に悩んでいる自分を変えることができるお金術を説いた本
2 ここが独特 節約や貯蓄 投資といったテクニックでの話ではなく 松浦弥太郎さんが経験をもとに お金さんの根っこの部分から考える本 松浦弥太郎さんの文章は スーッと私のこころに入ってい来る これまで 勝手に私のメンターとして尊敬している方だ
松浦弥太郎の新しいお金術 松浦 弥太郎 著
3 著者は お金について悩んでいない人たちがいると知った その人たちは皆 成功者 お金持ちと言われる人だった そこで『お金持ちになるにはどうしたらよいでしょうか』と尋ねると お金持ちたちの回答は すべて同じで 『お金に好かれるような暮らし方 仕事のしかたをすること』『お金に好かれるような自分でいること』ということであった そこで 松浦弥太郎さんが 自分の暮らしと仕事の中で実行したところ 少しずつお金が振り向いてくれるようになったという
お友達になるため 「お金さん」と呼ぼう
例えば 「お米」 男性でも女性でも「お」をつけずに「米」という人は そう多くはない そこでお金とお友達になるために 「お金さん」と呼ぼう とはいえ 「お金様」だと丁寧すぎる感があるから 呼び方を変えることが お金と仲良くするためのとびきりいい方法で これに気持ちを込めることが大切 嫌いなものは 絶対に自分のものにはならない さらに お金さん 「ありがとう」 「ありがとう」 と感謝する こうやって友達付き合いを始めたら 自分がされてうれしいことを相手にもする だから お金さんを使うときに 『一瞬だけ立ち止まる そして 自分にこう問うてみる さて こんな使い方をして お金さんは喜んでくれるだろうか』とね もう一つの基準としては 「消費 浪費 投資のどれだろう』と
4 大丈夫 お金さんは貯まります まず100万円をためる たしかに100万円をためることは 簡単なことではないが 一生懸命に働き お金さんについて真剣にこつこつ貯めることで お金さんとの付き合い方がわかるのです 1000万円となると話は別だが 日本で100万円というと 頑張ればなんとかなる額 逆に言えば 働いているのに何年かかっても100万円が貯めれないというのは 一種の病気 いわば「お金の病」と考えるべきで 原因は景気や職種ではなく 自分にあると考えるべき
お金さんは血液 『僕の考えでは お金持ちというのは血管が太くて たくさんの血液が流れている人たち 普通の人は普通の血液に合った量の血液が お金が無い人は細い血管に合った量の血液がながれている 血液だから お金をせき止めてはいけません 著者のアドバイスは 初めにお金を貯めるのではなく いい使い方をするのが大切という考え つまり いい使い方が お金さんと仲良くなる方法 ①自分の収入をあげる努力をする ②「どう使うか」を考えること どう使うかというと 人のために使う するとお金さんが喜ぶ また 社会のために使う 社会に役立つように使えば もっと大きなお金になって自分のところにも流れてくる 入ってくるお金と 出ていくお金のバランス感覚が大切 このバランス感覚をつかむために 「自分株式会社」を作ったと想定して 客観的に見つめることが効果的 自分株式会社の経営には 「哲学」があれば大切です 松浦弥太郎株式会社の哲学は 「正直 親切 笑顔 今日もていねいに」だそうです
5 ロビンソン クルーソーの貸借対照表 さすが松浦弥太郎さん ロビンソンクルーソーから貸借対照表を説明するとは 「ロビンソン漂流記」にヒントがある 遭難して無人島についた彼は なによりもつらいのは 世界のすべてと隔絶されたという途方もない孤独 そこで自分を励ますために日記をつける 『そのころは私の理性が私の失意に打ち克つようになり 私はできるだけ私自身を慰めて 私の境遇でいいことと悪いことを比較し 境遇としてはまだ増しなほうであることを明らかにしようとした 私は 次のように 帳簿の貸方と借方と同じ形式で 私の生活で楽なことを辛いこととを並べてみた
『たとえば悪いことは 〈私は救出される望みもなく この絶島に漂着した〉で 良いことは〈しかし 私は生きていて 船の他の乗務員は全部溺死した〉 このようにいいこと 悪いことを書きだす 悪いことばかりを見つめていると いいことが見えなくなってしまう すると新たな視点が見つかるのです
6 お金さんと時間は仲良し ローマ帝国の哲学者セネカが 『われわれはわずかな時間しか持っていないのではなく 実はその多くを浪費しているのである 人生は十分に長く その全体が有効に費やされるならば 最も偉大なことを成し遂げられるほどに豊富にあたえられているものだ』 反省するばかりですね そして 著者は 株などで得たお金とは友達になれない気がする だから 丁寧に畑を耕す 農夫でいたい 実りは収穫物であると同時に 次の実りをもたらしてくれる種 お金という実がなくなったら「大喜びしておしまい」ではなく そのお金で次の種まきをするサイクルをつくりたいと だから 焦らずに一歩一歩 誠実に 正直に お金さんについて勉強あるのみ
6 大きなことにお金さんをつかう 小さなお金さんには心をのせる 大きなことにお金さんとつかうとは お金持ちは 普段の生活はいたって質素だが お金を使うときには 惜しみなく大胆に使う そして 小さなお金にはこころをのせるとは 感謝の意味で 心付けをきれいに渡す所作を身につけたいとしています ここで 私は頭に浮かんだのは 池波正太郎作の 剣客商売(けんかくしょうばい) 秋山小兵衛が お金の使い方が上手いんですよね
8 最後に 著者は 『お金持ちになりたいと思い続けていた僕は こんなふうにいろいろとよく考えてみれば お金持ちになりたかったのではなく ただお金さんと仲良くなりたかったんだ ということに気が付きました』と締めくくっている