8分でわかる人工知能(AI) 人工知能は 人間の「脳」 IoTは 人間の「五感と神経」 ロボットは 人間の「肉体」にあたる
- 1 どんな本
- 2 私たちは15年後の暮らしを想像できない
- 3 移民と人工知能 日本人はどちらを選ぶのか
- 4 老老介護
1 どんな本 水野操氏は『人工知能の歴史は案外古く 学問分野として確立したのは 1956年にアメリカのダートマス大学で開催された会議がきっかけといわれている』と書いている しかし その後は現代の人工知能の隆盛にいたるまでは 紆余曲折を経て 2010年ごろから IoT やドローンなどの画期的なテクノロジーとそれを応用した技術が、急速に私たちの生活に入り込むようになってきた ただし 人工知能も含めて これらの技術に共通するのは 意外と古いということ しかし これからはテクノロジーのインフラとしてのインターネット ハードウェアとしてのコンピューター自体が進歩 『日常的に役に立つ道具」となる そして 人工知能(AI)は 私たちの生活をどう変えるのか について記している
『人工知能は 私たちの生活をどう変えるのか』 水野 操 著
2 私たちは15年後の暮らしを想像できない 水野操さんは こう書いている 急速に変化が進むのであろう そして 人工知能に関するニュースを見ない日はない 新型コロナウィルスに対しても 各国のテクノロジーベンチャー企業は 人工知能による感染拡大の予測 診断支援 新薬 など対応策を模索している 本書にはさまざまな分野において 人工知能が 私たちの暮らしをどのように変えるかについて記してあるが 「超高齢化日本を人工知能が救う」「移民と人工知能 日本人はどちらを選ぶのか」をピックアップさせていただいた
3 超高齢化日本を人工知能が救う 高齢者こを人工知能を活用すべきである 現時点では 高齢者社会での人工知能の活用というと 介護 や 病気になったときの治療 といった「マイナスをゼロのところまで引き上げる」という目に着目しがちだが 『高齢者自身が 元気に活躍し続けられるような人工知能活用の仕方を考えるべき』とする 「ひとり暮らしの親の状況を把握できるシステム」これには 私も非常に関心がある点である 私自身 高齢の父が独居している際に きちんと食事はできているのか 猛暑の夏を乗り越えることができるのか 常に心配していた 私の場合には 幸い同県内に住んでいたので 通い易いが 他県に住んでいたりすれば 心配が尽きないと思う 水野操さんは『ハウスAIが 日々健康状態を解析し 異常があれば介護センターや主治医 そして家族に連絡をいれる 緊急事態の場合には 自動的に救急車を呼ぶ』というシステム実現が期待されるとしている そして 人工知能や自動運転 ロボットを活用して 介護の人材不足を補いながら 「高齢者が地域に積極的に出ていくための介護」が可能になるとしている さらに歩行アシスト機のような人の動作を補助する機会・道具が進化することにより みずから動く機会を増やし 引きこもりを防止し 身体の機能を維持するために「高齢者の自立を促すロボットの開発が急務」とする
4 移民と人工知能 日本人はどちらを選ぶのか 当方は行政書士として 外国人の在留資格に関する業務を行っているために 移民 という問題については 非常に関心がある 水野操さんは 労働力の減少に対して 手を打たなければならないが 日本ブランドひ以前ほどの威光はない 移民受け入れのための高いハードルがある そして そもそも移民を受け入れたとしても 介護のような人での足りない仕事についてくれるという考えが早計で 都合がよすぎるのではとする そこで 介護ロボットや人工知能の導入活用である 介護業界においては ロボットの導入が着々と進んでおり 自動排泄処理装置 電動で歩行をアシストするカート 移乗介助機器(介護者が人を抱え上げる動作を補助する機械) 入浴支援機 等が介護現場でつかわれているという 本書が2016年第1刷なので 更に進んでいることだろう
5 老老介護 平成26年度の内閣府の発表では 65歳以上の高齢者のいる世帯は 全世帯数の約44%としている 夫婦のみの世帯でも 二人とも元気であれば まだいいが いずれかに 介護が必要になれば 老老介護 状態になる さらに 認知症 の症状がみられるようになれば 状況は 更に悪化する ぜひとも介護の場面においても 人工知能 の発達を期待する